2020年からデジタル学習で学校教育が大きく変わります
今回はちょっとお堅い内容です。先日、 テレビゲームは子供にとって最高の学習教材です という記事を書きました。実は上記の記事を書いたのは、 今回書きたかった事の序章でもあります。
2014年の時点で現在の安部政権が行おうとしている政策として 「2020年デジタル学習の普及を目指す」というお話を 皆さんはご存知でしょうか。
皆さんのお子さんに関わってくる事ですから決して他人事ではありませんよね。 どちらにせよ学校教育の中にも遅かれ早かれ、これから必ず訪れるであろう デジタル学習について少し考えてみたいと思います。
デジタル学習の現状
まず初めに、日本はデジタル学習の後進国です。 テレビゲームは子供にとって最高の学習教材です の記事の中でもゲーム(デジタル)の有用性について私なりに紹介しました。 最終的にはあえて違う方向にオチを持っていきましたが‥。
それなりの方が読んで下さったものの、 正直あまり反響は大きくなかったと感じています。 でもこれは私の中でも想定範囲内でした。
デジタルは勉強として受け入れられていない 確か「Z会」でもタブレットを使用したデジタル学習を提供してきましたが、 あまり結果が芳しくなく、半年ほど前にサービスが終了したはずです。 この事からも現時点で世間からデジタル学習があまり受け入れられていない事は明らかです。
実は私自身も現時点ではデジタル学習普及については懐疑的な意見を持っています。 ゲームの有用性はある程度認めていますが、 それをデジタル学習にも活かせているとは今の段階では感じられません。
そしてデジタル学習のメリットを最大限に活かす為には テレビゲームの要素を織り交ぜないと良いものが作れない、 ゲームとデジタル学習は密接な関係にあると思っています。
これは「お酒」に似ていると思います。 量を適度に守れば薬にもなるが、中には悪酔いしたり、依存症になる人がいる。 しかも今回は扱う対象が大人ではなく自制が効かない子供です。 節度を持ってコントロール出来る割合は大人以上に少ないはずです。
「じゃあノンアルコールのように制限付きにすれば安心じゃない?」 という発想も出てくるかと思いますが、 そんなくだらない事するぐらいならデジタル学習が秘めている可能性を 最大限に活かす事は出来ません。(日本の政府ならやってしまいそうですが)
逆に制限なしの皆が満足できるデジタル学習を開発してくれ、 と求めても今の日本のレベルでは所詮ノンアルコールのような 味気無いものしか開発できないんじゃないか、とさえ感じます。
前にも似たような事があった? 学校教育で打ち出された政策「ゆとり教育」は皆さんも記憶に新しいと思います。 革新的な新しい試みとしては評価できますが、明らかに失敗政策でした。 今の段階ではデジタル教育も、ゆとり教育のように失敗に終わる可能性があります。
現時点でデジタル学習がもたらすメリットとして挙げられているのが、 「子供の成績をデータで全て把握できる」「全国で教材データを共有化できる」 「コスト削減にもつながる」など完全に大人の都合目線です。
また、携帯ゲームでお馴染みの大手企業DeNAもデジタル学習市場に参入しています。 きっと新興市場でお金の匂いがプンプンするのでしょう。 こういう実態からも、私がデジタル教育普及に嫌悪感を抱いているのです。
デジタル学習の可能性
どちらかと言えば否定的な意見の私でも、 デジタル学習の可能性には期待しています。 どうせ普及するんだったら一番良い形で子供たちに届けたい、という気持ちです。
実は当サイトは独立行政法人のiPadアプリの開発プロジェクトに 少しだけお手伝いで参加させて頂いております。 あくまで「イラスト提供」だけでアプリの内容には一切携わっていませんが。
具体的には難聴児の為の学習支援ツールとして開発を進めているようです。 「子供たちの為に役立てるのなら!」という思いで 当サイトとしても全力でお手伝いさせて頂いております。 ※近々完成する予定ですのでまたお知らせ致します。
こういったiPadアプリが本当に子供たちの為になるのなら 私もデジタル学習の普及を心から喜べます。 だからこそ「便利だから」とか「コスト削減だから」という 大人目線での理由が許せません。
これからデジタル学習会社VS既得権益の教材会社という構図の 利権争いが始まりそうな予感がしますね。
先生に意見をお伺いしました
ちょうど良いタイミングで、デジタル学習についての話題がありましたので、 公立小学校の先生に現場の生の意見をお伺いしてみました。 質問内容は「ぶっちゃけ紙での学習が良いの?デジタルでの学習が良いの?」です。
紙か、デジタルかという件ですが うまく使い分ける事が大事だと思っています。 想像力が苦手なお子さんには、写真や動画が即座に見られるというのは、デジタルならでは。
ただ、デジタル普及派の中には、初めにデジタルありき、 タブレットありき、無線LANありきという雰囲気があることにも懸念を持っています。 「タブレットで出来ることを考えよう」は、目的と手段との混同の典型。
教育目標があって、その手段の一つがたまたまタブレットに過ぎないのであって、 「初めにモノがあるから有効活用を考えよう」というのは発想がひっくり返っているわけです。 「タブレットで出来ることを考えよう」は、目的と手段との混同の典型。
どれだけデジタルが普及しても紙媒体や実体験を完全に無くすことは教育的ではない、 と思っています。なぜなら教育は本来、五感で経験していくものだからです。
※一部を引用させて頂きました。 全文はコチラ ことばの教室 Therapist's Homepageで読む事ができます。
素晴らしいご意見です。従来の紙とデジタルが上手に融合すれば 良いですがデジタル後進国の日本で2020年までに実現可能なんでしょうか。
また、デジタル学習を取り入れるという事は従来の授業時間の中から何か別の時間を削る という事です。その削った時間以上に恩恵を受けられると良いのですが ・・大人じゃなくて子供たちが。
まとめ 家庭学習でもスマホやタブレット等のデジタル一辺倒に 偏ってしまうのは、あまり良くないでしょう。 と言う訳で紙媒体での勉強は引き続き当サイトを宜しくお願い致します。 (最後は宣伝かーーい!!)
「いいね!」が私の楽しみなんです‥あとは、わかるな?
- 記事作成日:2014.03.26
通称「プリント学習の鬼」(と呼ばれたい願望があるただの凡人)。 私のアンテナに引っ掛かった子育て情報は何でも書くので内容は玉石混淆です。 受け入れるのも、右から左へ受け流すのも、あなた次第。